佐瀬雅行写真展に向けて

石神社(宮城県石巻市)

2005年に石巻市と合併した雄勝町は、雄勝硯や東京駅のスレート屋根で有名な雄勝石の産地。太平洋に面した雄勝町の半島部の中央、石峰山(352m)の山頂付近に高さ7m、幅3mの烏帽子形の巨石がそびえ立っている。これが石神社の御神体で社殿はない。延喜式内社。

  • 険しい山道の果てにそびえ立つ巨石。人々は荒々しい岩肌の中に神が宿っていると信じた

急峻な斜面に直立する姿は、見る者に神秘性を感じさせる

石神社の存在を知ったのは、仙台市内のギャラリーで開かれた雄勝石のスレート屋根をテーマにした写真展だった。雄勝石で有名な地域に巨大な自然石を御神体とする神社があるという話に惹かれるものがあり、国道45号を石巻市に向かった。東松島市、石巻市と進むにつれて大型ダンプの姿が目立つ。東日本大震災の復興工事の車輌だ。旧河北町で北上川右岸の県道に入り、山越えして旧雄勝町に至る。雄勝湾に面した集落は一変していた。かつてはスレート屋根の模様が美しい家々が並んでいたが、津波で全て流され跡形もなかった。

雄勝町大浜の海沿いにある石神社の里宮、葉山神社も津波で破壊されていた。葉山神社の脇から石峰山の登山道に入る。苔むした石や湧き水で滑りやすく、雑草に覆われていて何度も迷いそうになる。きつい登りに息も絶え絶えで、体力の低下を痛感した。参道には「神授の泉」「御神馬の足跡岩」など、いわくありげな場所が点在するが注意して見る余裕もない。歩き続けること1時間、ようやく赤い鳥居が見えてきた。その奥に巨大な磐座が鎮座していた。急峻な斜面に直立する姿は、見る者に神秘性を感じさせる。石峰山には他にも伝説を秘めた岩がいくつかあり、明らかに山岳修験の霊場であったと思われる。(2014年7月撮影)

 

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