佐瀬雅行写真展に向けて

松島・雄島(宮城県松島町)

松島湾に浮かぶ大小260あまりの島々の一つで、歌枕として名高い。多くの松が生えていたことから「千松島」とも呼ばれ、これが「松島」という地名のルーツとも言われている。瑞巌寺の前身である延福寺が開山して以来、僧や巡礼者の修行の場であった。凝灰岩の岩壁に無数の石窟が掘られ、中には石仏、五輪塔、卒塔婆などが刻まれている。

  • 岩壁に掘られた隧道を抜けると異空間が広がる

波の音を聞きながら経文を読み、海の彼方にある浄土を思って祈り続けたのだろうか

JR仙石線の松島海岸駅で下車し、松島水族館の脇の道を歩いていくと間もなく雄島が見えてくる。東西40m、南北200mほどの小島で、海岸からすぐ目の前に浮かんでいる。松島の観光スポットは遊覧船での島巡りや瑞巌寺、五大堂などで、雄島まで足を伸ばす観光客はほとんどいない。 松島の隣の塩釜市に生まれ育ったにもかかわらず、不勉強も手伝って初めて訪れた。 小さな朱塗りの渡月橋を渡り、岩をくりぬいた隧道を抜ける。周囲の空気が変わったように感じた。いくつもの石窟が並び、刻み込まれた石仏や戒名などがかすかに残っている。かつては堂宇や庵も立っていたというが跡形もない。この島に籠って修行した僧らは、波の音を聞きながら経文を読み、海の彼方にある浄土を思って祈り続けたのだろうか。 渡月橋は東日本大震災で被災し、普通となっていたが2013年7月に新しい橋が完成。雄島に渡れるようになった。(2009年6月撮影)

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