フィンセント・ファン・ゴッホと篠山紀信。ジャンルも時代も全く異なり、共通性は何も見いだせない組み合わせだが、両者の作品を宮城県美術館で鑑賞した。

 ゴッホがアルル時代に描いた7点の「ひまわり」の中で、損保ジャパン東郷青児美術館所蔵の作品が東日本大震災復興支援として東北で初めて公開された。「ひまわり」は藍色の壁面からに奥まったところに展示され、ガラス越しの見学だったが、柔らかな照明が効果的で細部まで鑑賞することができた。15本のヒマワリの花と黄色の壷が独特のタッチで描かれ、かすかに青みがかった背景も含めて全体がイエローの色調に統一されている。サインがなく贋作説も囁かれたというが、言われてみれば他の作品と比べてややインパクトに欠けるような気もする。貧しかったゴッホが身近にあったヒマワリをモチーフにしたという逸話は本当なのだろうか。

 一方の「篠山紀信展 写真力」は、2012年に東京のオペラシティ・アートギャラリーで開催された時も見ている。今回で2回目だが、天井まで届くような巨大なプリントはやはり迫力があった。1960年代から現在まで写真界のスターとして活動し、多様なジャンルで膨大な作品を生み出してきたことは驚異だ。一点一点のクオリティーもさることながら、今回の写真展に見られるような企画力が篠山紀信の特徴だろう。その是非は別として、大衆にアピールする力を持っていることは間違いない。

 写真展の会場で残念だったのは、照明が光沢のあるインクジェット用紙に反射して非常に見にくかったこと。光沢紙を展示する際のライティングは難しいが、もう少し吟味してほしかった。仙台で大規模な写真展が開催される機会は少ないだけに、経験不足なのかもしれないが……。