仙台城三の丸跡にある仙台市博物館に出掛けて、開催中の特別展「奈良・国宝 室生寺の仏たち」(7月4日〜8月24日)を見学してきた。平日の午前中なら混雑していないだろうという予想は見事に裏切られ、すでに駐車場に入る車が長蛇の列を作っていた。会期が残り少ないからだろうか、館内は高齢の方方々で溢れかえっていた。

仙台市博物館は常設展示が充実しているものの、企画スペースは限られている。東京国立博物館などの企画展と比ぶべきもないが、貴重な仏像が並んだ展示室には圧倒された。国宝の十一面観音菩薩立像と釈迦如来坐像、本尊を守護する十二神将立像…。本来なら本堂の微細な光の中で対面すべきかもしれないが、LED照明で綿密にライティングされたことで仏像の衣紋や装飾など細部までじっくり見ることができた。正面だけでなく一周できるのも展覧会ならではだ。

興味深かったのは、室生寺に魅せられた写真家の作品が展示されていたこと。写真集「古寺巡礼」で知られる土門拳が戦前から「女人高野」に通いつめたエピソードは有名だが、何度見ても仏像に肉薄した作品は迫力がある。「楽園」シリーズの三好和義が撮りおろしたカラー作品もあった。デジタルカメラで撮影し、手透きのかなり大きな和紙(阿波紙)にインクジェットプリンターで出力しているが、色合いや諧調が見事に再現されていた。プロラボに依頼したと思うが、柔らかで繊細なカラー再現に仕上がっていて和紙の可能性を感じた。以前、阿波紙を使って思うような結果が出ず断念した経験がある。再挑戦すべきかもしれない。